
第三者検証って、同じテストを3回やること?
違うよ!
第三者がチェックするの!


じゃあ、1回目普通に、2回目をつぶって、3回目逆立ちしながら!
無駄に体力テストしないで!
今日は、第三者検証の重要性について解説するね

第三者検証とは?
システム開発において、品質保証は欠かせません。その中でも第三者検証は、開発チームとは独立した外部機関や専門チームが、客観的な視点でシステムの品質を評価するプロセスです。
第三者検証は、単なるバグ検出にとどまらず、ユーザー視点での評価やセキュリティ診断するため、より信頼性の高いシステムを構築することが可能になります。
なぜ第三者検証が必要なのか?その重要性
近年では、システムの規模が拡大し、機能も複雑化しているため、内部テストだけでは不具合を見落とす可能性があります。特に、以下のような背景から第三者検証の重要性が高まっています。
- システムの複雑化
クラウド、AIなどの技術が進化し、システムの構造がより複雑になっています。また、テストの範囲が広がり、内部テストだけでは不具合を見落とすリスクが高まっています。
- 市場競争の激化
競争の激しい市場では、品質の高いシステムを短期間で提供することが求められます。そのため、品質とスピードの両立が重要になります。
- 不具合による時間的・経済的損失
テスト不足による不具合の見落としは、後の修正コストを増加させます。また、修正や再テストの工数が膨らみ、プロジェクト全体のコストが増大する可能性があります。
- セキュリティリスクの増大
サイバー攻撃の手口が高度化し、システムの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。セキュリティ対策を十分に行うためにも、テストが重要になります。
これらの課題を解決するために、第三者検証を導入することで、信頼性の高いシステムを実現できます。
第三者検証と内部テストの違い
システム開発において、第三者検証と内部テストはどのような違いがあるのでしょうか。違いについて、以下の表にまとめました。
内部テスト | 第三者検証 | |
---|---|---|
実施者 | 開発チーム | 外部のテスト専門会社 or 別部署 |
目的 | 仕様通りに動作するかを検証 | 客観的な視点で品質・UX・セキュリティを評価 |
強み | 開発意図を熟知している | 開発者の先入観がなく、隠れた問題を発見できる |
内部テストでは、開発チームが中心になるのに対し、第三者検証では外部テストの専門会社別部署が中心となります。そのため、内部テストでは気づけない客観的な視点を持つことができます。
第三者検証のメリット
第三者検証を実施することで、様々なメリットが得られます。メリットについて、以下に紹介します。
-
先入観のないユーザー視点での品質評価
開発者は仕様通りに動作するかを確認しますが、ユーザー視点で評価するのは難しい場合があります。
第三者検証では、先入観のない客観的な視点からテストを実施し、使いやすさや直感的な操作性を評価できます。 -
開発リソースの最適化とリリーススピード向上
開発チームがテストに時間を取られると、開発業務の遅れにつながります。
テストの専門家に検証を任せることで、開発チームはその分の負荷が軽減され開発に集中でき、結果としてリリーススピードが向上します。 -
バグの発見とコスト削減
システム開発の後半やリリース後に重大なバグが発覚すると、修正コストが大幅に増加します。
第三者検証を導入することで、開発とは異なる視点からバグや不具合を発見し、結果的に開発コストや修正コストの削減につながります。 -
セキュリティ強化
特に最近ではサイバー攻撃のリスクが高まっており、徹底した脆弱性診断が求められています。
第三者検証では、疑似攻撃テスト等の脆弱性テストを実施します。内部テストでは気づけなかった問題を確認することで、セキュリティをより強化します。
第三者検証のデメリット
第三者検証の実施は、メリットだけでなくデメリットもあります。
-
コストが発生する
外部のテスト会社を利用する場合、その分のコストや時間がかかります。
スケジュールには、第三者検証にかかるコストや時間を考慮する必要があります。 -
評価基準にばらつきが発生
第三者検証で、特に外部のテスト会社を利用する場合、適切な情報共有がないと、評価基準にばらつきが発生する可能性があります。
そのため、開発チームと連携し、適切な情報共有やコミュニケーションを取ることが重要です。 -
テスト範囲の選定が重要
すべての機能を第三者検証に任せると、コストと時間が膨大になります。
特にリスクが高い部分を優先的にテストするといった、適切なテスト範囲の選定が重要です。
第三者検証を、外部のテスト会社を利用する場合、情報共有やコミュニケーションを取ることが大切です。第三者検証は、得られるメリットが多いため、適切に導入することで効果が期待できます。
第三者検証の進め方
第三者検証を進めるには、主に社内で実施する方法と、外注する方法の2つがあります。2つの方法について、以下に説明します。
実施方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
社内で実施する方法 |
|
|
外注する方法 |
|
|
社内で実施する場合
社内でこのプロジェクトに携わっていないメンバーで、第三者検証のためのチームを結成することで、社内で実施することが可能です。メリットとデメリットは、以下になります。
- メリット:コストを抑えられる、社内にノウハウが蓄積される
- デメリット:人材の確保が難しい、テストの専門知識が不足しがち、客観性が低くなる
社内で第三者検証を実施すると、ノウハウを蓄積できます。また、外注すると一定のコストや時間がかかるため、その分のコストを抑えられます。
一方で、プロジェクトに携わっていないメンバーで第三者検証のためのチームを結成するため、その分の人材確保が必要です。さらに第三者検証には、高度な専門的な知識が必要になります。そのため、メンバーに専門的な知識が不足している場合、第三者検証で得られる効果が低くなってしまいます。
外注する場合
第三者検証を、外注することも可能です。メリットとデメリットは、以下になります。
- メリット:人材不足解消、専門的な視点で品質を保証、依頼元のニーズに合わせたテストが可能
- デメリット:コストが発生する、開発チームとの情報共有が不可欠
外注で第三者検証を実施すると、人材を確保する必要がなくなり、人材不足を解消できます。また、専門的な視点でテストを実施するため、品質向上が期待できます。
さらに、テストの検証範囲や内容を、依頼主のニーズに応じてカスタマイズできる場合もあります。
一方で、デメリットもあります。外注にお願いすると、一定のコストや時間がかかります。
また、社内で第三者検証を実施するよりも、情報共有が重要になります。情報共有が不十分だと、評価基準にばらつきが生じてしまい、コストと時間が膨大になる可能性があります。
第三者検証を成功させる3つのポイント
第三者検証を成功させるためには、どのようなことが必要でしょうか。成功させるための、3つのポイントを以下に紹介します。
-
目標を明確にする
目的や範囲が設定されていないと、第三者に何を依頼するのか決められません。
また、検証内容にズレが生じる可能性があります。
目的や範囲を定めた目標を明確にする必要があります。 -
チームの連携を強化する
開発チームや、チーム内の連携を強化し、情報共有をスムーズに行うことが必要不可欠です。
情報共有をきちんと行うことで、テストを適切に実施することが重要です。 -
適切なテスト会社を選ぶ
外注する際、適切なテスト会社を選ぶ事は必要不可欠です。
外注先を選ぶ際は、専門知識や類似の検証実績や経験、体系的なテストメソッド、テストドキュメントの質等、総合的に判断した上で選択することが重要です。
第三者検証を成功させるには、まず目標を明確にし、適切な情報共有が重要です。特に外注する場合は、最適な外注先を選ぶことが不可欠です。これにより、第三者検証の効果を最大限得られ、品質の向上につながります。
まとめ
第三者検証は、特に外注する場合、一定のコストと時間がかかります。しかし、それ以上に得られるメリットも多いため、第三者検証は単なる「コスト」ではなく、長期的な「投資」と考えられます。第三者の視点を活用することで、より高品質なシステムの構築が期待できます。
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